「じゅん文学」BBS
しるべなき時を過ぎて - 伽芙伽怪(かふかあやし)
2024/11/20 (Wed) 14:59:32
家族の両親の父の暴力を含む激しい生涯にわたる諍いを倦むことなく描いている、秀作だと思う。
だが精神病者に対する見方が正常者側から描かれ、老いた父親を精神病院から引き取るのがこの義務であるかのようになっている。父親は精神病院のほうが穏やかに安全に暮らせること、患者側の視点が抜け落ちている。龍一さんも同じである。
精神病院の方が楽に暮らせる人もいるのだ。
退院すると、すぐに病気をぶり返し、入院し、するとすぐに落ち着いた状態になる人もいる。彼らは病院の方が住みやすい場所なのである。
父親を引き取ると、奥さんへの負担が過重となり、家族の生活が危機になるのではと思う 。